タクナル集客会議

「お客様があなたから買いたくなる」マーケティングやプランニングのヒント

言葉で人が動くとき

集客に悩んだマーケターが、必ず学ぶものにコピーライティングがあります。

ここで話すのはセールスコピーと言われるもので、映画のコピーなどとは少し考え方の違うものです。
お客様に購買を促したり、メールアドレスを登録してもらうなど、何らかのアクションを取らせることを目的としています。

こういう説明をすると、「なるほど、説得するんですね」と考える方がいるのですが、そうではなく、「納得してもらう」という表現がぴったりきます。
つまり、納得してもらって行動してもらう、それがセールスコピーの役割だと言えます。

ところで、納得してもらうことを訓練するには、やはり、普段の対人関係で量稽古するのが一番手っ取り早いのではないでしょうか。

そこで、相手に納得してもらうにあたって、まず最初に意識するのが、相手にとって自分は、敵か味方かということです。

最初から対立関係を結んで、正論をぶちかまして得意になっている人もいるようですが、納得してもらうのが目的ならば、味方につけたほうが簡単ですし、嫌われなくて済みます。

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先日、下請けの瓦屋さんに、職人さんにはお願いできないようなことをお願いしなければならない仕儀となりました。

内容は、お客様のご要望が「予算を抑える」ことを目的としていたのに対し、瓦屋さんは「きれいに機能的に直しきる」ことを目的としている、まさに対立構造でした。

そこで、お客様から言われたことが
「森川さん、私は瓦屋さんを買っているし、何年かしたら全体的に直したいと思っている。その時にはぜひ、あの瓦屋さんにお願いしたい。だけど、今回だけは予算が合わない。だから、職人さんにこんなお願いをして申し訳ないんだけど、今回は予算に合わせてくれるよう頼んでください。」というものでした。

それを聞いた私が、最初に瓦屋さんに伝えたのは「今回は予算を抑えてください」ということだけでした。

当然ながら、瓦屋さんの反応は、「そうは言っても、先日見積もった箇所は手入れする必要があるからああいう見積になっているんだ。そうでなければ、屋根としての機能は保証できない。」という、反発でした。

予算削減ということ、不十分な修理ということ、どちらも瓦屋さんにとって、受け入れ難い話です。

そこで、「実はお客さんは、数年後に全体的な修理を考えている、しかも、それをあなたご指名で考えているんです。だから、今回だけは堪えてくれませんか?」とお話しました。

瓦屋さんは、それを聞いて納得してくれました。

二番目の話には、瓦屋さんの職人としての誇り・メンツを重んじた内容、近未来の有望な利益が入っています。最初に瓦屋さんが反発した時の理由が、少し譲歩することで、手に入る確約をしたのです。

つまり、敵から味方になったわけです。

「それを聞いてやらなきゃ、男がすたる」とでも言いますか、瓦屋さんにしてみれば、十分に譲歩に値する理由が述べられたのです。

説得しようとして力むと、どうしても対立構造を作りがちですが、納得してもらうことを目的とすれば、三方良しが築けるという、具体的な体験をしました。